長崎県の公共工事はこれで良いのか!

 長崎建設新聞という業界紙を見ていて、「県は22日、本年度から18年度にかけて行う「入札制度改正」内容を発表した」という記事が目にとまった。政治は関係無い等といわずにたまには関心を持ちましょう。なぜなら私の税金を代理執行させているのだから。(01/31/2004)

まずは大きな声で言いたい。長崎県は佐賀県にも佐世保市にも劣っている。

 その意味は読んでいただけば判っていただけるだろう。まずは愚かしい今回の改正の内容を見てみよう。主な柱は下記の通りだという。

▽適正な企業評価(格付、専門工事業者評価、企業点検強化)
▽県内企業育成対策の推進(建設業再生・再編。
下請負業者等県内企業優先対策)
▽適正な競争の推進(制限付一般競争での事後審査導入、電子入札早期導入)
▽情報の公表拡大(格付公表内容拡大、工事成績評定及び通知の公表、指名選定方法公表)

―を柱に、入札の透明性・競争性・公正性を更に高め、不良不適格業者を排除し、技術と経営に優れた県内企業の育成を図ろうとするもの

 お題目は大変結構な内容だ。気になる「下請負業者等県内企業優先対策」についても、税の代理執行者である県が、納税者への配慮をすることは、効率的な高品質且つ廉価な工事を求めることと、相反する面はあるものの、必ずしも違法若しくは行政の不公平とはいえないだろう。

 もっと記事の中身を見てみよう。

 下請負業者及び工事材料の県内企業優先対策の推進として、「下請負業者及び工事材料について県内企業を優先活用すること」について、平成16年度から特記仕様書に明記

 ここで言う「特記仕様書」とは、その名の通り建設工事において特別に記された仕様を書いたもので、必ず履行されなければならないことだ。優先と記載されているから言葉は柔らかいが以下を見てみると

平成18年度の格付からは、県内企業優先使用者に対し、その程度に応じて主観点数を付与する方針。他の入札参加者の下請禁止取扱い見直しでは、通常の届出と同様に届出制とした。ただし、原則として特殊な機械、技術を要する場合を除き、工事発注管内の業者に限定した。

 ここで縛りが効いている。元請業者に対して地元発注をすれば主観点数を付加するとなっているが、工事業者は各々国土交通省からの客観的な点数をつけられていて、これが業者としてのランクを決定する。従来から地元に本社が有る企業には、県の主観的な点数を追加しており、県内企業保護が行われている。今回は更に地元保護が強まるということだ。

 一見素晴らしい県内企業保護に思えるが、ここで言う県内企業とは長崎県内に本社を置く企業のことである。もちろん県外企業の中には転送電話一本で営業所を構えている企業もある。こんな企業は県民の血税を他所に持っていくだけだから排除されても仕方が無い。しかし多くの県民を地元採用・雇用し、一定以上の納税をしている企業も同時に排除してしまうことになる。本当にそれで良いのだろうか??

 県内に支店・営業所を持ち600名以上の従業員を持つ企業経営者の一人は、「来年度から長崎県内の新卒採用は出来ない」と言った。仕事量が減るのは経営責任だから仕方が無いが、行政により排除されては従来まで本社に説明してきた、「地元に貢献する企業は地元から人を採用しなければならない」の説得力がなくなると言う。これで業界トップの技術力を持つ企業への就職の道が閉ざされてしまう。

 さらに「次回からは佐賀県から採用するしかない」という。理由を聞いてみると納得がいった。佐賀県では一定の割合で県民を雇用している企業は、地元企業で有るとして差別をしないという。県内を見回してみると、市町村では佐世保市が同様の判断を数字を挙げて示している。長崎市や諫早市は原則として市内業者以外へは工事発注をしない方針であり、県と同様の考え方のようだ。

 自治体の首長は選挙で選ばれるので、地元の建設業者によって推薦されている。地元の建設業者は、首長の意向で仕事の受注機会が変動する。これこそが癒着と談合の温床だ。そのような癒着体質を県民が希望するならば、それも良いだろう。しかし、本当に県民の意思だろうか?地元に実態(雇用と納税)のある企業の従業員は県民では無いのだろうか?

 このような不公平な政策が続行されれば、県民は優良企業への就職の道を閉ざされるし、県は優秀な企業力を活用することも出来なくなる。企業誘致もどうなるか判らない。お先真っ暗だ。

 県が成すべき地元保護とは、県民への保護では無いだろうか?そのために優遇すべき企業とは「県内に本社を置く企業」ではなく、地元雇用を多くしている企業では無いだろうか?その中には当然ながら県内に本社を置く企業も入るだろう。

 長崎県よ佐賀県に学べ!

       長崎県よ佐世保市に学べ!

              長崎県よ本来の地元活性化とは何かを考えよ!

                     県は県民の代理で税金を使っていることを忘れるな!

*新聞記事の全文引用*

 県は22日、本年度から18年度にかけて行う「入札制度改正」内容を発表した。主な改正内容は、最低制限価格の適用拡大、入札参加者の下請禁止取扱い見直し、工事成績評定点の加点方法改訂や特定建設業者への加点項目の廃止などを盛り込んでいる。また、入札契約手続の透明性を向上させるため、平成16年度から総合数値の公表や建設工事の「工事成績評定書」を閲覧により公表。さらに、平成15年度中に長崎県建設技術研究センター(ナーク)に現場点検Gメンを設置し、施工体制等の抜き打ち点検を実施することも決めた。

 今回の改正は、
▽適正な企業評価(格付、専門工事業者評価、企業点検強化)
▽県内企業育成対策の推進(建設業再生・再編。下請負業者等県内企業優先対策)
▽適正な競争の推進(制限付一般競争での事後審査導入、電子入札早期導入)
▽情報の公表拡大(格付公表内容拡大、工事成績評定及び通知の公表、指名選定方法公表)―を柱に、入札の透明性・競争性・公正性を更に高め、不良不適格業者を排除し、技術と経営に優れた県内企業の育成を図ろうとするもの。

 格付の見直しでは、16年度に主観点数における工事成績評定点の加点方法改訂や特定建設業者への加点項目の廃止など、既存項目の見直しを行うとともに、ランク別に年間平均完成工事高が所要額以上(土木工事業Aランク2億円以上など)であることや土木工事業・建築工事業のAランクは1級土木(建築)施工管理技士が3(2)名以上であることが要件となる。更に18年度からは、5(3)名以上に拡大される予定。

 これらの見直しにより、主観点数の割合は最大部分で、従来の概ね1割程度であったものが、平成16年度は概ね2割程度まで引き上げられる。

 企業の点検強化としては、15年度中に県建設技術研究センター(ナーク)に現場点検Gメンを設置し、施工体制等の抜き打ち点検を実施、16年度中にも営業所点検チームを設置して、営業所への立ち入り調査を実施する考えだ。

 建設業の再生・再編対策の推進では、建設業協会等に相談窓口を設け、産業振興財団より相談員を派遣することや建設業協会が行うセミナーの開催を支援することなどを盛り込んだ。

 下請負業者及び工事材料の県内企業優先対策の推進として、「下請負業者及び工事材料について県内企業を優先活用すること」について、平成16年度から特記仕様書に明記。平成18年度の格付からは、県内企業優先使用者に対し、その程度に応じて主観点数を付与する方針。他の入札参加者の下請禁止取扱い見直しでは、通常の届出と同様に届出制とした。ただし、原則として特殊な機械、技術を要する場合を除き、工事発注管内の業者に限定した。

 新たな入札の導入では、16年度公告から、一般競争入札の実施を設計金額1億円以上(現行2億円以上)の工事に拡大することに伴い、発注者及び受注者双方の事務の軽減化を図るため、入札参加資格等の事後審査制度を導入する。

 また、入札契約手続の透明性を向上させるため、情報の公表等について、平成16年度から格付公表内容の拡大策として、主観点数及び総合数値も公表することとした。